レッスン・テスト#1
テスト範囲:第1章から第3章まで;科学理論としての文法、主格、目的格、位置格、後置詞
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<教科書など、何を見てもいいですよ>


QI)(20点) 文(1)中には「を」句(目的格句)がふたつ、「に」句(位置格句)がふたつ含まれている。

(1)    「使った燃料以上の燃料産むはずの『夢の原子炉』かかわってきた数多くの技術者や研究者、判決はショック与えた。」(朝日朝刊03年1・30日付けのコラム記事)。

それぞれの句の名詞がどの動詞の何を記述するかを、1)から4)を埋めることで、言おう。

1)「使った燃料以上の燃料を」の「を」名詞句は、動詞_____の_____を記述する。

2)「ショック」の「を」句は、動詞________の_______を記述する。

3)「使った燃料以上の燃料を産むはずの『夢の原子炉』に」の「に」名詞句は、動詞_____を修飾し、その動詞の_______の_______を記述する。

4)「使った燃料以上の燃料を産むはずの『夢の原子炉』にかかわってきた数多くの技術者や研究者に」の「に」名詞句は、動詞______を修飾し、その動詞の_______の_______を記述する。


なお、同記事には、「名古屋高裁金沢支部判決は、核燃料サイクル開発機構の高速増殖原子炉「もんじゅ」の安全審査を全面的に否定した」という文がある。

QIIー1)(20点) 日本語言語理論3(第3章の(48))の文法3に、規則33.5:n -> hasiという規則を加え、新しい日本語言語理論3.5(文法3.5と意味論3.5)を作った。意味論3.5は意味論3と同じである。日本語言語理論3.5を、語列(2)に関して、試験しよう。

(2)    子どもが箸(はし)でおはぎを食べる。
         kodomo ga hasi de ohagi wo taberu
         'A child will eat ohagi with chopsticks.'
母語話者は、語列(2)が文であり、その語列の意味は(2)中に英語で与えられた通りであると言う。なお、科学理論の試験では、以下の言葉を使えるかもしれない。「日本語言語理論3.5」、「文法3.5」、「予測」、「語列」、「文」、「非文」、「母語話者は、その語列が文であると判断する」、「母語話者は、その語列が非文であると判断する」、「反証される(=偽とされる)」、「反証されない(=まだ偽とされない)」、「意味論3.5」、「意味論3.5は、・・・が・・・という意味を持つと予測する」、「一方、母語話者は、・・・」。


QIIー2)(20点)
 日本語言語理論3.5を修正して、語列(2)についての母語話者の判断を正しく予測するような言語理論を作ろう。なお、もし、日本語言語理論3.5に、ある文法規則か意味規則かを付け加えるだけでいい場合は、その付け加える規則だけを書きなさい。新しい言語理論を3.6とする。語列(2)に関する母語話者の判断とは、語列(2)が文であるかどうか、そして、それが文であったら、どんな意味を持つかに関する判断である。<ヒント:新しい日本語言語理論を作る際、ある語が格形式か、後置詞かが要点である。

QII−3)(20点) QII−2で提案した新しい日本語言語理論(日本語言語理論3.6)を、以下の「は」句に関する現象(3a)ー(4c)を使ったり、自分で現象を作ったりして、議論しよう。

(3)    a.    大阪から 子どもが 来る。
                'A child will come from Osaka.'
        b.    ?大阪 子どもが 来る。
                'Talking about Osaka, a child will come from there.'
        c.    大阪からは 子どもが 来る。
                'Talking about Osaka, a child will come from there.'
(4)    a.    子ども 走る。
                'children will run.'
        b.    子ども 走る。
                'Talking about children, they will run.'
        c.    *子どもがは 走る。

「から」は後置詞で、それに関する「は」句の現象には、(3a)−(3c)がある。一方、「が」は格形式で、それに関する「は」句の現象には、(4a)−(4c)がある。


QII−4)(20点)[持ち帰り:締め切り:今週の日曜日、6月15日] 新しい日本語言語理論(日本語言語理論3.6)を、語列(2)に関して、試験しよう。<他の人と議論していいです。しかし、答案は、他の人のを見ないで、自分の言葉で、書こう。>