解答例(1.7 練習問題)
結論: 佐賀西部方言の文法#1(教科書、p.
21を参照)は、語列(19)に関する母語話者の文性に関する判断によって、反証されない。なぜなら、以下のように、語列
(19)の文性に関する同文法の予測は、母語話者の判断と矛盾しないからである。
予測: 佐賀西部方言の文法#1は、語列(19)を、図1のように分析して、S(文)であると予測する。
S, 2
NOMP, 3
V, 4
N,7 NOM, 6
naku
agemaki no
図1
現象: 母語話者は、語列(19)を文であると判断している。母語話者は、この語列が変な意味だと言ったが、変と言ったといえ、この語列から意味を得てい
るのだから、ごの語列を統語的に文であると分析できたと考えることができる。さらに、変な意味とはいえ、語列(19b)も文と母語話者に分析されている。
(19b) agemaiki no naku to de su.
「とです」の前には、文が生起できるので、(19b)が文であるから、「とです」の前にある語列(19)も文であると考えられる。